リスク回避のために考えるべき創業融資:後悔しない選択肢とは?

創業希望者の方々の中には、「お金を借りて返せなくなると困るので、自己資金の範囲内で創業したい」と考えている方が少なくありません。
しかし、創業時には、絶対にお金を借りるべきなのです。
創業融資は借りておいたほうがいいの?
お金を借りるのに利息がもったいないと考える人もおり、確かにお金を借りると金利が発生するこになります。
300万円を借りて、金利が2%だと、年間6万円になります。1ヶ月に5000円となります。
これをもったいないと感じるか、それとも安心を確保するための必要経費と考えるかによって、その後の展開は変わってきます。
創業後、事業が計画通りに推移すれば問題はありませんが、そんなに順調に計画通り進まないこともよくある話です。
思うように売上や利益が増えない状況が続くと、遅かれ早かれ手元の資金は底をつきます。
そのときに慌てて、お金を借りに行こうと思っても、簡単には貸してもらえません。
創業してからでは、簡単にはお金が借りられない
簡単にはお金を貸してもらえないのはなぜか?
それは実績が伴っていないからです。
創業する際は、実績などがありませんから、「自己資金の金額」や「業務経験」、「事業計画書」を見て審査します。
その結果、ある一定の条件さえ揃っていれば、ほぼほぼ、貸してもらうことができます。
しかし、開業して半年以上経つと、実際の売上状況が実績として残るので、そこが重要視されます。
収支がずっとマイナスの状態が続いてしまうと、貸す側も「ここに融資するのはリスクが高い」と判断し、融資には臆病になってしまいます。
創業者の多くは、1年目が終わる時点で資金が底をついてしまい、融資の申し込みに行きますが、その時点で申し込むと、金融機関の担当者からは「ずっと収支がマイナスなんですね。お手数ですが、もう6ヶ月ほど業績の推移を見守らせていただけますか。改善が見られた場合は、積極的に検討させていただきます」などと言われることがあります。結果的には、融資が断られることになってしまいます。
「ここで資金を借りて、事業にてこ入れしたいと思っています」と伝えても、過去の実績によって経営者の能力不足と判断され、てこ入れしても成果が得られないと見られてしまいます。
その結果、とうとう事業を継続させるための資金が無くなってしまい、廃業してしまうケースを多く見てきました。
創業融資を借りることで得られるもの
「お金を借りても返済出来なくなるのが怖い」という思考ではなく、「借りたお金をどうやって使えば、返済出来るようになるか」を考えることで、お金の使い道にも真剣さが出るようになり、そういう考え方を身に着けていかないと創業した会社を存続させることはできないと思っておいた方が良いと思います。
創業時に借りる必要がなくても、借りておくことで、キャッシュポジションが高くすることが出来ます。
売上が思うように推移しない場合、その状況を打開するためには投資が必要です。
飲食店を経営していたけれど、集客が上手くいかず売上が上がらない時は、集客を増やすために広告を打つということをしますよね。
この広告を打つことが投資になります。
でも、手元に残っているお金が少なければ、出来るだけ支払いを減らそうという意識が強くなってしまいます。
資金がなければ、このような状態になっても、必要であるはずの・大切な広告を打つことができず、
来店客が増えるのことを座って祈るしか方法がなくなります。
当然ただ待っているだけでは、何も変わらないので、来店客が増えることはなく、ジリ貧になっていきます。
キャッシュポジションが高ければ、このような必要な投資に対する抵抗が少なくなるため、
いざという時に投資を積極的に行って、行き詰った事態を立て直すことができます。
まとめ
世間では、借金は悪という考え方がありますが、こと事業を行うにあたっては必要不可欠という存在です。
創業融資は開業してすぐが一番借りやすい時期なのです。苦しくなってからでは、なかなか借りることが出来なくなってしまいます。
事業が予定通り好調に進めば、借りたお金をそのまま返済しても構わないですし、保険として考える方もいます。
それから創業したときに多くの方が痛感するのが、安定して毎月の給料が入ってくることのありがたさでしょうか。
支払いだけが先行し、預金通帳からどんどんお金が減っていくことに焦りを感じ、緊張感はかなりのものがあります。
そういう意味でもいざという時に使えるお金が残っている、そういう安心感が得られるのは事業にも精神的にもとても大きい効果があると実感します。

