創業融資が重要な理由:その2 売上が伸び悩む創業期

創業融資が重要な理由。それはなぜなのか、第2回目の解説です。
創業すぐは売上見込みが外れることがほとんど
事業を開業するとき、多くの創業者は「理想の店舗」や「モチベーションの高い仕事環境を作る」といった夢に力をいれがちです。
しかし、実際には、売上や利益が予想通りに増えることはまれで、私の経験では黒字に転じるまでには平均して半年以上かかかることの方が多いです。
創業後、最初の予想どおりに売上が上がることはほとんどありません。
開業直後は、目新しさや内装の綺麗さなどの新店舗効果で賑わうこともありますが、他の店との差別化や独自の強みがなければ、飽きられてすぐに客足は遠のきます。
売上が予想外に伸び悩む場合、新しいメニューや広告の追加などの改善策が必要になりるでしょう。
しかし、改善策を実行したくても、資金がなければ新しい戦略を試すことも困難です。
スタッフの人件費や家賃の支払いなどの固定費は、売上の増減に関わらず発生するため、売上が低迷すると経営に直接的なダメージが生じます。
そうして資金が無くなってくると仕入れ材料費や経費を節約しようとしてしまい、サービスや商品の質が下がることで、さらに客足が遠のくという悪循環に陥る可能性があります。
これまさに「貧すれば鈍する」という言葉が現実のものとなる例です。
売上が無くても生活できる蓄積が大事
また、人は霞を食べて生きていけませんから、食費や自宅家賃などの生活費も必要です。
家族がいればその養育も必要で、生活を簡単に切り詰めるわけにはいきません。
元手が少なくても始められるフリーランスや営業代行といった業種であっても、売上が安定するまでには通常半年程度要はかかります。
この期間、赤字が続くことが予想されるため、その間の生活を維持するための資金が必要になります。
開業前に少なくとも半年分の生活費を蓄えておくことが非常に重要です。
セミナーやフランチャイズで紹介される成功事例をそのまま信じ、「絶対に成功する」と過信する方も少なくありませんが、現実の結果は、前回の統計数字が物語るところです。
ですから、売上が最初から予想どおり出ることは少ないため、赤字覚悟で半年から1年を耐えられるだけの十分な資金を用意してから創業することを目標にするようにしましょう。

