創業融資が重要な理由:その3 借金ではない、投資としての重要性


前回までの記事で、創業する際に、多くの人が資金不足の問題に直面することを見てきました。

もし親族からの援助を受けられたり、サラリーマン時代に高給を得ていて十分な貯金ができている、といったことがあればよいのですが、創業に必要な資金を全て自己資金だけで集めることは、なかなか難しいのではないでしょうか。
そのようなことを考慮すると、創業融資を利用することは、創業を成功させるために必要不可欠だと言えるでしょう。

ところが、借金を悪いものと考える人もいます。
創業融資はただの「借金」ではなく、未来への「投資」としてその価値を発揮します。
この記事では、そのことについて解説します。

借金は悪か?

確かに日本では、借金をするのは悪いとか、恐ろしいイメージがあることは事実です。
例えば「住宅ローンを完済した」や「積極的に繰り上げ返済している」といった表現はポジティブなイメージになりますが、これには「借金して利子を払うのは損だ」という考え方が影響していると思われます。

しかし実際には、借入は事業を成長させるための資金調達手段として非常に有効です。
巨額の借金を背負いながらも、積極的な企業買収や投資を通じて事業を拡大している企業は数多く存在します。
これは、借入によって新たな投資を行い、その投資からの収益を再投資に回すという「資金サイクル」を効率よく回していることを示しています。

身近な例としては、家を購入する際、全額キャッシュで購入できる人はほとんどいません。しかし、頭金だけ用意して住宅ローンを組めば、手持ちの現金だけでは購入できないものが手に入るのです。
さらに、「大学に進学したい」という子どもの願いを、「お金がないから無理」と断る家庭もありますが、は教育ローンを組むことができれば、子どもの希望をかなえてあげられます。
ひいては、将来の子どもの職業や収入にも良い影響を与えるでしょう。

価値観の変換が大事

事業運営を行うのもこれと同じことです。
多くの経営者が、一定の元手がなければ事業を軌道に乗せることが出来ないと考えています。

借金を悪だ捉えるのは、従業員としての生活の中での考え方です。
これから経営者として創業するのであれば、その考え方は変える必要があるのではないでしょうか。