起業時に創業融資を借りなかった場合の4つのデメリット

起業を考えているのだけれど、創業融資は借りたほうが良いのか、疑問を持つ方がおられます。
「頑張って貯金して開業資金を貯めてきたから、そんな借金するまでも・・・」
「そんなに経費がかからないから、大丈夫」
中には「借金をすることは悪いこと」というような先入観を持っておられる起業者も少なくありません。
借金に抵抗があり、無借金経営を目指される起業者もいますが、起業して無事に事業を安定させるためには、創業融資は不可欠ともいえます。
ここでは、起業した時に創業融資を借りなかったときに起こりうる4つのデメリットをご説明します。
1.後からでは借りられない
創業融資の最大のメリットともいえますが、創業前、創業直後が一番借りやすくなっています。
これが創業してから3ヵ月も経過してしまうと、金融機関は試算表(実績)を求めてきます。
起業してからすぐの状態で、赤字だったりわずかな売上だったりが実績として審査されてしまうため、満足な融資が借りられなくなってしまいます。
それに、創業融資の審査には自己資金の金額が非常に重要になってきます。
預金に300万円のお金が残っている状態と、事業に使ってしまって預金0円の状態では、まったく借りやすさが変わってきてしまいます。
本来、金融機関からの融資を受けるためには、これまでの事業の経営実績がものをいいます。
それがまだ何も事業を始めていないのに、創業者の経歴や書類だけで融資が借りられのは、後にも先にも創業時だけです。
2.黒字化するまで資金が持たず廃業してしまう
日本政策金融公庫のアンケートでは、黒字化するまでには平均6ヵ月程度かかるとあります。
創業者は1年で3割がそのまま廃業するといわれていますが、その原因はこの赤字の期間が耐えられから、といわれています。
創業前にイメージした計画どおりに売上・利益が出てくることは少ないでしょう。
思ったよりも客足が伸びないことはもちろん、起業前に予想していなかった経費も出てきます。
実際に多くの創業者が、事前に予想していたよりも多くの出費を支払っています。
しかし、起業を成功させている創業者は、この赤字の期間を耐えてその間に試行錯誤を繰り返し、商売の中身を立て直すことで、事業を軌道に乗せているのです。
なんとしても売上が上がるまでの期間の時間稼ぎをしないといけないのですが、創業融資を受けなかった起業者の多くが、途中で資金がなくなって廃業に至ってしまうのです。
3.好きな仕事に集中できない
預金残高が無くなってしまって、入金が入らければ今月の支払いが出来なくなってしまうような状況では資金繰りを考えることで頭が一杯になってしまいます。
このような状況で、まともな経営判断が出来るでしょうか。
やがて、無理な値引きや格安で仕事を引き受けざるを得なくなってしまいます。
資金繰りのためにイヤな仕事を無理に請け負って、お金も儲からず時間もなくなり、結局、サラリーマンでいた時のほうがマシだったとなってしまいます。
本来、自分がやりたかった仕事に集中して取り組むためには、ある程度のお金を預金に残しておく必要があります。
4.事業を拡大するチャンスを逃してしまう
売上が予想よりも上がってきた時には、もっと人を採用したい・広告費を使いたい、と積極的な事業展開を検討することも考えられます。
新型設備を導入したいとなったときにも手元に資金があれば、すぐに対応できます。
これがお金が貯まるまで待っていては、大事な商売チャンスを逃してしまうことにもなりかねません。
まとめ やっぱり後からかりておけば良かった、とならないために
創業融資を借りなかった時に起こりうる4つのデメリットをご紹介してきました。
安定した事業運営を行うためには、キャシュを残しておくことが必要になります。
創業融資を借りておけば、たとえその資金を使わなかったとしても、いざというときの保険となって大きな安心になりますし、創業融資の審査を通ることで、社会的にも信用を得ることができます。
夢にまで見た起業を必ず成功させるためには、創業融資を借りておくべきです。
後からやっぱり借りておけば良かったとならないために、創業3ヵ月が経過してしまうまでに申請することをお勧めします。

